下品でもポルノにしたくない ギャグ漫画家がパンチラ表現を拒む理由

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机美鈴

 性欲を持て余して周囲を振り回したり、趣味のマスターベーションに没頭したり……。漫画家の田滝きききさんが描く主人公は、女性の「あるある」な一側面を描きつつも、これまでにないギャグ漫画として人気を博しています。女性の性を笑いで表現する田滝さんに、作品に込めた思いを聞きました。

女性の性欲、笑いにくるんで

 昨年完結した「石見さんのGライフ」(竹書房)は、「G(自慰)」が趣味の女性会社員が主人公の作品です。ロボット掃除機や枕を使うなど、毎度趣向をこらしたGにストイックに励む姿を描きました。

 男性の読者は「こんな女性はいない」と笑い飛ばし、女性は「元気になる」などと共感を覚えるようです。

 女性の性欲って「痴女」とか「ヤレる」という言葉に象徴されるように、男性本位な形でしか認識されてこなかったと思います。特に女性のGはまだまだタブー観が根強い。女性も性欲はあるし、それは自然なことですよ、というメッセージを笑いにくるんで届けています。

 たたき・ききき 1994年生まれ、2020年に「性教育120%」(KADOKAWA)の原作で漫画家デビュー。

 読者の6割が男性ですが、私としては女性に向けて描いています。

 もともと下ネタが好きで同人誌で楽しく描いていたのですが、2017年に「セックスの誘い方」という作品が予想以上に読まれて、自分の描き方に問題がないか、怖くなってしまったんです。

 「セックスして少子化を食い…

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