岸田首相が荒井秘書官を更迭 性的少数者や同性婚をめぐり差別発言

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 岸田文雄首相は4日午後、性的少数者同性婚をめぐって差別発言をした荒井勝喜・首相秘書官を更迭した。出張先の福井県坂井市で記者団に対して明らかにした。政権中枢で首相を支える最側近の一人が差別発言で辞任に追い込まれたことは首相自身の人権意識も問われる事態で、今後の政権運営に重大な影響を与える可能性もある。

 首相は荒井氏からすでに辞意が伝えられ、後任は経済産業省の伊藤禎則秘書課長を4日付で充てるとした。

 荒井氏の発言をめぐり、首相は改めて「多様性を尊重し、包括的な社会を実現していく内閣の考え方には全くそぐわない、言語道断の発言だ」と批判。「LGBTや性的指向、性自認を理由とする不当な差別、偏見はあってはならない」と強調した上で、政府として国の内外に丁寧に説明していく努力を続ける考えを示した。

 自身の任命責任については「…

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    末冨芳
    (日本大学文理学部教授)
    2023年2月4日18時2分 投稿
    【視点】

    実態を伝えると、官僚や自民党議員に差別を差別とすら自覚できない方がいます。LGBTは種の保存に背くと、当事者を追い詰めるメッセージを会合で堂々と発言した政治家もいます。 荒井秘書官や杉田水脈元政務官の個人的な問題ではなく、自民党や官邸

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    牧原出
    (東京大学先端科学技術研究センター教授)
    2023年2月4日18時18分 投稿
    【解説】

    広報担当の秘書官が軽々しくも重大な人権侵害を行ったというのが、今回の問題の根深さを表しています。 一つには、経産省出身者がさまざまな意味で弱者対策に不得手であり、感染症対策のような医療・社会保障が苦手で、秘書官の中核にこの集団がいるこ

    …続きを読む