「JRが求めている議論の場ではない」赤字路線めぐり岡山県が断言
岡山と広島の山あいを結ぶJR芸備線をめぐり、両県は1日、JR西日本に経営状況などを尋ねるヒアリングを行った。JR西側が芸備線の赤字区間の存廃を含めた協議を自治体側に求めてきた中での開催。両県は存続を前提に利用促進策を議論するための会議体だと強調、神経戦が続いた。
「今回のヒアリングは、以前からJR西日本様が開催を求めておられる芸備線の在り方についての議論の場ではございません」
岡山市内で開かれたヒアリングの冒頭、岡山県の池永亘・県民生活部長は言い切った。両県とJR西の幹部、沿線自治体や国土交通省の関係者ら約40人の前で、「あくまで芸備線の維持、利用促進に向けて参考にするためにお話をお聴かせ頂きたい」と続けた。
JR西が昨年4月、17路線30区間の赤字ローカル線の収支を公表。岡山県内では、芸備線や姫新線、因美線の区間が含まれていた。同年5月にはJR西が自治体側に存廃を含めた協議入りを提起し、これに自治体側が反発、にらみ合いの状態が続いてきた。
この日のヒアリングでは、JR西は全体の運輸収入のうち、京阪神を除く在来線は13%にとどまると指摘。両県側は芸備線の利用者の年代や職業別などのデータを求め、JR西側は持ち帰った。
会合後、岡山の池永部長は「時間的に十分ではなく、総論的な内容になってしまった」、広島県の杉山亮一・地域政策局長は「お願いしていた部分の資料が無かったのは消化不良かもしれない」と記者団に指摘。不満感をにじませた。
一方、JR西の地域共生部の飯田稔督次長は「ゼロから1がなされた。大きな進展」と両県との会議の機会が持たれたこと自体を評価。「議論が深まることで、持続可能な交通体系が進めばと期待している」と語った…
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