なぜ原発の新規建設に方針転換したのか 国会論戦で首相はどう説明?
西尾邦明
原発の新規建設や60年を超える運転を認めることに政府方針を大転換した原発政策は、今国会で大きな焦点の一つとなっている。なぜ今なのか、十分な議論はあったのか、安全性は十分なのか――。岸田文雄首相の説明には疑問が残ったままだ。
「ウクライナ侵略によって世界的なエネルギー危機と言われる中、エネルギー安定供給と脱炭素をいかに両立させるか。多くの国にとって課題となっている」
1日の衆院予算委員会で首相は自民党の石原宏高氏の質問に答えた。原発は大量に発電でき、発電時に二酸化炭素(CO2)を出さない。そのため、推進させる必要があるとの説明だ。
こうした主張に、立憲民主党…
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- 【視点】
原発があるから電力供給が安定する、原発があるから料金を低く維持できる。東京電力の原発事故前によく聞いた話で、時代が逆戻りしたかのようです。 一方で、事故直後は原発が動かずに計画停電や大幅な節電を全国で経験しました。原発比率の高い関西電
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