川辺川流水型ダム計画 反対派が集会 「ダム造れば清流は返らない」

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 国が球磨川支流の川辺川で進める流水型ダムの建設計画をめぐり、反対する県内の市民団体などが22日、人吉市下城本町の人吉市カルチャーパレスで集会を開いた。出席者からはダムへの疑問や批判の声が相次ぎ、ダムによらない流域の治水と復興を求めた10項目の訴えを打ち出した。

 「私たちはダムを求めてはいません! 知って下さい 球磨川豪雨災害の真実を」と題した集会には、2020年の熊本豪雨の被災者らが参加し、会場の460席ほどの小ホールはほぼいっぱいになった。

 人吉市のほか球磨村や八代市坂本町などで被害にあった6人が、自らの具体的な体験を交えて意見を発表。「流水型でもダムを造れば球磨川の清流は返ってこない」との環境への懸念や、避難時に上流域の市房ダムで一時緊急放流が検討されたことを知った際の恐怖感と「ダムはかえって危ない」との主張、08年に川辺川ダムの白紙撤回を表明しながら被災後にダム容認に転じた蒲島郁夫知事への批判などが続いた。

 10項目の訴えでは、土砂撤去と堤防の修復、遊水地の整備、宅地のかさ上げと高台移転などダム以外の防災対策を列挙。手厚い生活再建支援策やJR肥薩線の早期復旧も求める。

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