待ってる「俺の白兎」 大河のセリフにちなむ和菓子が生誕地に登場

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柏樹利弘

 「待ってろよ竹千代……、俺の白兎(しろうさぎ)」

 NHKの大河ドラマ「どうする家康」で、岡田准一さん演じる織田信長が放ったセリフがSNSで反響を呼んでいる。徳川家康(幼名・竹千代)の生誕の地である愛知県岡崎市ではさっそく関連の和菓子が登場。岡崎に行けば白ウサギが待っている。

 桶狭間の戦いが描かれた1月8日の初回放送の終盤、今川義元を討ち取った信長が松平元康(のちの家康)のもとに迫る。その際に口にしたのが、このセリフだ。ツイッターでは放送直後に「俺の白兎」がトレンド入りした。

 まさに脱兎(だっと)の勢いで行動に移したのが秋元祥治さん(43)。岡崎市が運営するビジネス支援施設「岡崎ビジネスサポートセンター」でチーフコーディネーターを務める。「このビッグウェーブに乗るしかない」。ここ最近は大河ドラマの需要を中小企業のビジネスにどう取り込むかを考えてきた。

 すぐに二つの老舗和菓子店に連絡を取った。アイデアをおもしろがってくれそうな職人がいるのを知っていた。ウサギをイメージしたお菓子づくりに慣れているという思惑があった。

 明治創業の「近江屋本舗」は放送翌朝から「俺の白兎」(税込み248円)の販売を始めた。もちっとしたういろう皮で白あんを包み、ようかんで顔を描いた。「うちの子は『ブサカワ』。手作りなんで、人間と同じで一つずつ顔が違うんです」と社長の黒田祥裕さん(44)。

 この早業には、からくりがあった。まったく同じ菓子を、直前まで「干支(えと)」という名前で店頭に並べていたからだ。正月はその年の干支にちなんだ菓子を創作していて、今年はウサギ。黒田さんは「岡崎を盛り上げるためにも、このお菓子が『大河見てますか』というお客さんとの会話につながればいい」と話す。

家康といえば、武田信玄と争った三方ケ原の戦いから逃げ帰る際、恐怖のあまり脱糞(だっぷん)したという逸話が有名です。「まってろよ おれの白うさぎ」と名づけた饅頭(まんじゅう)は、ウサギのふんに見立てた粒あんを採用し、SNSで話題になっています。

 また、大正創業の「小野玉川堂」も14日から、ぷっくりとしたウサギのおしりをイメージした饅頭(まんじゅう)「まってろよ おれの白うさぎ」(5個入り税込み2千円)を販売している。SNSで拡散され、注文が相次ぐ。家康と家臣たちに見立てた白ウサギのパッケージに包まれている。

 武田信玄と争った三方ケ原の…

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