香川最古のうどん店がSNSで進化した 廃業寸前、5代目店主の挑戦
堅島敢太郎
国内有数の盆栽産地、高松市鬼無地区に「うどん県」最古といわれる創業約120年の讃岐うどん店「ヨコクラうどん」がある。
飲食スペースがある木造の離れを抜け、調理場やレジがある母屋に入ると、歴史を感じる店内に不似合いなポップなメニュー表示に目を疑った。
「鶏チャー葱炙油うどん」
「炙(あぶ)りチーズカレー」
まるで新進気鋭のラーメン店だ。
1年ほど前は、「かけ」「ぶっかけ」といった讃岐うどんの基本メニューしかなかった。廃業寸前の経営危機だったという。
「店から一切出ずに、自分の世界でうどんを作っていました」。そう振り返る5代目店主の横倉英城さん(45)は、レンタルビデオ大手の社員を経て2006年に店を継いだ。当初、店は週末には多くの客が訪れていたが、次第に売り上げは右肩下がりになっていった。
1年間、うどんの写真なし
転機は一昨年の夏ごろ。取引先との軽いノリの口約束から、店のインスタグラムのアカウントを開設することになった。
横倉さんは「どうせ始めるな…