立憲のホープが電撃転身 今井瑠々氏、自民に心が傾いたきっかけは

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佐藤瑞季 安倍龍太郎 本井宏人
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 昨年12月23日。年の瀬を迎えた永田町の衆院議員会館に、立憲民主党で衆院岐阜5区の総支部長を務める今井瑠々(るる)氏(26)の姿があった。地元・岐阜県で「打倒自民の急先鋒(きゅうせんぽう)」(立憲岐阜県連幹部)とされる今井氏が向かったのは、2021年の衆院選で挑んで敗れた相手である自民党古屋圭司・元国家公安委員長(70)の部屋だった。

 「自民党から県議選に出たいのですが、選択的夫婦別姓の問題など、自民党とは考え方の違いがあります。どう思いますか」

 そう切り出した今井氏に、古屋氏は応じた。「大いに歓迎しますよ。自民党は多様性の党ですから」

最年少の小選挙区候補

 衆院選当時、25歳だった今井氏は立憲から立候補し、小選挙区の全国最年少候補として注目された。選択的夫婦別姓反対や伝統的家族観を重視するなど、代表的な「保守政治家」として知られる古屋氏に対し、女性支援や子育て政策などを掲げて戦い、約1万4千票差にまで迫った。立憲も今井氏に期待をかけ、衆院選後も総支部長としての活動資金、毎月50万円を提供するなどしていた。

 だが、今井氏はひそかに立憲への不信を募らせていた。

 12年の衆院選以来、旧民主党系は国政選挙で8連敗。離合集散を繰り返し、党勢低迷が続く。特に「自民王国」の岐阜では前回衆院選以降、旧民主系国会議員が不在で、総支部長も今井氏1人だけ(13日現在)。さらに岐阜5区(多治見市中津川市など5市)では立憲市議は1人もいないという状況だ。今井氏が「誰もサポートしてくれない。いつも1人だ」と周囲にこぼすこともあった。

 そんななかで起きたのが昨年5月の「JRパス詐欺事件」だ。中津川市に居を構え、前回衆院選で今井氏の選対本部長を務めた山下八洲夫・元参院議員(80)が、JRパス(国会議員用鉄道乗車証)を悪用して新幹線のグリーン券などをだまし取った事案が発覚。山下氏は逮捕され、12月に詐欺罪などで懲役2年執行猶予4年の判決を受けた。今井氏は地元でおわび行脚に追われた。

■古屋氏秘書との会食の場でな…

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