平均寿命、青森がまた最下位 自殺率もワースト、「短命県」返上遠く

土肥修一
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 厚生労働省が公表した2020年の都道府県別生命表で、青森県平均寿命は男性79・27歳、女性86・33歳と、いずれも最下位となった。男性は1975年から10回連続、女性は95年から6回連続の最下位(阪神・淡路大震災の影響を除く)。男性は全国で唯一の70歳代だった。県は「短命県」返上に向けた施策に力を入れるが、厳しい結果となった。

 都道府県別生命表は、人口動態統計や国勢調査をもとに、厚労省が5年ごとに作成している。

 青森の平均寿命は、男性が全国平均(81・49歳)を2・22歳、トップの滋賀県(82・73歳)を3・46歳下回った。女性は全国平均(87・60歳)を1・27歳、トップの岡山県(88・29歳)を1・96歳下回った。

 前回2015年から、男性0・61歳、女性0・39歳とそれぞれ延びたが、こちらも全国平均(男性0・72歳、女性0・60歳)を下回った。20歳、40歳、65歳、75歳の各年齢別の平均余命もすべて最下位だった。

 県健康福祉部の永田翔部長は最下位となったことについて、「重く受け止める必要がある」とコメント。「健康診断やがん検診の受診の推進、生活習慣の改善などの取り組みをさらに充実させる」とした。

 21年の人口動態統計では、3大死因とされるがん、心疾患、脳血管疾患の県内の死亡率はいずれも全国ワースト10位以内と高く、自殺の死亡率は初めてワースト1位となった。

 県では、がん検診の受診を促すセミナーや、自殺のサインに気づき、寄り添う「ゲートキーパー」養成研修を企業向けに開催。だしを利かせた料理で塩分を控える「だし活」や、大学の学食に出向いて若い世代に野菜の摂取を呼びかけ、短命県返上に向けた取り組みに力を入れる。

 県健康福祉政策課の担当者は「すぐに結果を出すのは難しいが、取り組みを着実に進め、改善を図っていきたい」と話した。(土肥修一)

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