今井瑠々氏の転身、自民側「昨秋から調整」 立憲衝撃「本当に痛い」

統一地方選挙2023自民

 2021年衆院選で岐阜5区に立憲民主党から出馬した今井瑠々(るる)氏(26)の自民党入りが7日、事実上決まった。今井氏は立憲に離党届を出したことをツイッターで表明。その後、自民党多治見市支部は緊急役員会を開き、4月の県議選多治見市選挙区に、今井氏を推薦候補とすることを全会一致で決めた。

 今井氏は緊急役員会にも参加し、紹介を受けた。13日の党県連の選挙対策委員会で正式決定した後、記者会見する予定。

 役員会の終了後、衆院岐阜5区選出の古屋圭司衆院議員が報道陣に経緯を説明した。「政策を実現するには自民に入らないとダメだと皮膚感覚でわかったことが一番だと思う」とし、「調整が始まったのは昨年秋口。12月には直接会い、県議選に出たいということなので、私は大いに歓迎しますと答えた。ちょうど思いが一致した」と明かした。

 複数の党関係者は「今回の筋書きは古屋先生が書いた」と口にする。21年衆院選で古屋氏は、今井氏に約1万4千票差に迫られ、多治見市の得票では今井氏を下回った。「古屋さんは、今井さんを何とかしておかないといけないと思い、大どんでん返しで中に入れたのだろう」とみる。

 自民県連は6日に幹部が意見交換したが、村下貴夫幹事長によると、「反対する人はいなかった」。衆院選で戦った相手を仲間に迎えることに「感情論はあるが、一番気にしないといけない古屋先生が気にしていないんだから」。さらに「異論がなかったのは、いろいろな要素が働いているから。衆院選も市長選も県議選も、自民にとってマイナスはない」と口にした。

 4月の多治見市長選では、連合岐阜の推薦を受けた現職が引退を表明。自民県連のある幹部は「市長の座を自民が取り返さないといけない」とし、自民推薦で市長選に出馬予定の自民県議にとって「無党派層に人気がある今井氏の支援があれば追い風になる」とみる。

 県議選の多治見市選挙区(定数2)は、今井瑠々氏、自民の友江惇氏(36)、無所属の判治康信氏(46)の新顔3人が争う構図となり、自民独占の可能性も芽生える。

 一方、立憲県連副代表として次の衆院選をめざして活動していた今井氏の突然の方向転換に、立憲側の衝撃は大きい。渡辺嘉山県連代表は「本人から正式に何も聞いていない」としたうえで、「残念としか言いようがない。自民王国を崩す急先鋒(きゅうせんぽう)、象徴のような存在だからね。本当に痛い。衆院選で投票した6万8千人余を裏切ったことになり、責任は重い。次の衆院選で岐阜5区から新しい候補を立てるのは難しい」と話している…

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