「安保3文書」に基づく初めての日米協力 サイバー防衛や半導体で

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若井琢水 ワシントン=榊原謙 伊沢健司
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 5日から米ワシントンを訪問中の西村康稔経済産業相はレモンド商務長官らと会談し、サイバー防衛や半導体分野での日米連携の強化を協議した。経済安全保障上の懸念が高まる中国への対応を念頭に、13日に予定される岸田文雄首相の訪米に向けて、日米協力を強める方針だ。

 今回、政府が昨年12月に安全保障関連3文書を閣議決定してから初の日米閣僚による対面会談となった。西村経産相は6日のマヨルカス米国土安全保障長官との会談で、サイバーセキュリティー分野での連携を強化する覚書を結んだ。3文書のひとつ、「国家安全保障戦略」(NSS)にはサイバー分野の対応能力向上を盛り込んでおり、新たな戦略に基づく日米連携の第1弾となる。

 政府機関や企業を狙ったサイバー攻撃は世界的に急増しており、機密情報の流出やシステム障害などのリスクを抑える狙いがある。

 米国は、中央省庁などの政府機関が導入するソフトウェアについて、納入業者に安全性の証明を求める制度の整備を進めており、覚書では、日本の政府機関も米国と同じ水準の安全基準を設けるために協力することが盛り込まれる方向だ。

 政府が率先してセキュリティ…

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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2023年1月7日17時38分 投稿
    【解説】

    経済産業大臣が内閣府が所掌するはずのサイバーセキュリティに関する覚書を結んだり、防衛省・内閣官房国家安全保障局の所掌であるはずの安保戦略三文書に関してコメントするなど、意外に縦割りが緩いのは岸田政権の特徴なのか、それともいずれの問題もWho

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