円高、7カ月ぶり一時129円台 日銀のさらなる緩和策修正の思惑

ニューヨーク=真海喬生
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 3日の外国為替市場で、対ドル円相場が一時、7カ月ぶりに1ドル=129円台の円高ドル安水準をつけた。日本の物価高(インフレ)が進むなか、日本銀行がさらに金融緩和策を修正するとの思惑から円買いが広がっている。

 円相場は2022年、日米の金利差拡大を背景に急速に円安ドル高が進んだ。激しいインフレを抑えようと米国の中央銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)が急速に利上げする一方で、日銀が金利を低く保ったことで、金利の高いドルを買い円を売る動きが加速。22年初めに115円ほどだった対ドル円相場は、10月に32年ぶりに1ドル=151円台まで円安に振れた。政府と日銀は円買いドル売りの為替介入にも踏み切った。

 しかし、その後は逆に日米の金利差が縮小するとの思惑から円高が進んでいる。12月に日銀は長期金利の上限を引き上げる事実上の利上げを決定。さらに日銀が政策金利の引き上げなど緩和策の修正をするとの見方があるほか、米国のインフレがピークを越えたとみられることや米国の景気後退への懸念から、米国の長期金利は低下傾向にあり、急速に円高ドル安が進んでいる。

 円相場は円安のピークをつけた10月から2カ月あまりで20円超、円高ドル安に振れている。(ニューヨーク=真海喬生)

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