図書館の本、高齢者や乳幼児宅にも届けます 羽村市が来年から

杉山圭子
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 東京都羽村市は来月5日から、図書館の本を、高齢者宅や乳幼児がいる家庭に届けるサービスを始める。障害者などへの宅配は同市を含めて多くの自治体で行われているが、高齢者や子育て世帯も対象とするのは珍しく、市によれば、多摩26市では初だという。

 サービスを利用できるのは、市内に住む70歳以上の高齢者と、就学前の子どもと保護者。利用者登録し、図書館のホームページで本を検索して予約(電話でも可)すれば、職員が自宅まで届けてくれる。返却回収も依頼でき、登録料金も利用料金もかからない。

 市内には市図書館「プリモライブラリーはむら」、図書室一つに加え、図書館分室三つがあったが、分室は今月で閉めた。市図書館の松原隆館長(60)は「活字離れが進んで利用者が年々減り、児童書中心の分室は1日の利用者数が1館平均5人ほど。10人来れば多いほうでした」と語る。いずれも開設から40年以上が経って老朽化したこともあり、市は新たなサービスに切り替えることにした。

 橋本弘山市長は先月の定例記者会見で「デジタル化が進むが、紙の本の読書は非常に大事。子どもたちにはまず本に親しんでもらい、高齢者の皆さんにも1冊でも多く読んでいただければと思う」と述べた。

 市の面積は約9・9キロ平方メートルで、車なら10分あれば隅々まで行ける。松原館長は「コンパクトな地形も生かした新サービスが利用者の拡大につながってくれたら」と話している。(杉山圭子)

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