第7回日本のチョコは奴隷労働の産物なのか オランダ発「トニーズ」の衝撃

有料記事資本主義NEXT 会社は誰のために

藤田知也

 創業者の名前と「孤独な戦い」を掛け合わせた社名のオランダのチョコメーカー「トニーズチョコロンリー」。「チョコ伝道師」を名乗るオランダ人男性が、22分間のPR動画で力説する。

 「この小さな会社には大きな使命がある。世界中のチョコを奴隷の労働に100%頼らないものにする」

 カカオ産業の人身売買や児童労働を英BBCが00年に告発し、欧米では激しい不買運動がわき立った。世界の大手各社は児童労働の撤廃を約束したが、改善は進まなかった。

 そこで業を煮やしたオランダ人ジャーナリストがトニーズ社を創業。消費者への問題提起や現地農家の収入改善をめざすチョコバーをつくり、今ではオランダで2割のシェアを持つまでに育った。

日本で売られるチョコレートの多くは、西アフリカの児童労働に依存したカカオ原料を使っています。人権侵害の撤廃を使命に掲げたオランダのチョコメーカーに衝撃を受け、立ち上がった日本のある経営者も新たなインパクトを生みだしました。

 動画では、身売りされて親に会えず、無給で働かされる子どもたちの肉声も紹介。伝道師がこうも呼びかける。

 「他の企業もマネしてほしい。ビジネスモデルやバリューチェーン(価値の連鎖)を露骨にコピーして」

 トニーズ創業から13年後の18年秋。触発された日本の経営者がいた。

原料を切り替えられた取引先に起きた変化

 1個30円のチョコバー「ブ…

この記事は有料記事です。残り1380文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

連載資本主義NEXT 会社は誰のために(全27回)

この連載の一覧を見る