10人に1人が2500グラム未満 小さく生まれた赤ちゃんのリスク

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河原夏季 沼田千賀子
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 自分や家族が生まれたときの体重を意識したことはありますか? 現在、日本人の平均出生体重は約3000グラムですが、約10人に1人が2500グラム未満で小さく生まれています。その割合は近年横ばいです。朝日新聞がアンケートをしたところ、1千件近い回答がありました。うち9割が女性で、当事者からの声も多く寄せられています。(河原夏季、沼田千賀子)

 人口動態統計によると、昨年生まれた日本人の子どもは81万1622人。そのうち、2500グラム未満で生まれた「低出生体重児」は7.6万人(9.4%)で、1975年の5.1%から大きく増えている。その中で1500グラム未満の「極低出生体重児」は0.8%、より未成熟な1000グラム未満の「超低出生体重児」は0.3%の割合だ。小さく生まれるほど、病気や障害のリスクは高くなる。

小さく生まれる理由

 小さく生まれる理由について、新生児臨床研究ネットワーク(NRNJ)理事長の楠田聡医師は「早産や、双子などの多胎児の増加、妊婦への体重制限、病気などが関係している」と話す。多くの母親は妊娠37~41週(正期産)で出産する。22~36週は早産とされるが、「超早産」の28週未満は子宮内感染症が主な要因で、34~36週の「後期早産」では妊娠高血圧症などの病気や妊婦の「やせ」も影響してくるという。

 妊娠年齢の上昇も、低出生体重児が生まれる原因と指摘する。2011年以降、第1子出産の平均年齢は30代になり、昨年は記録が残る1950年以降で過去最高の30.9歳だった。母親の年齢が上がるほど合併症のリスクが高くなり、胎児の発育にも影響するという。

 早産や小さく生まれた赤ちゃんに対して、自分を責めてしまう母親も多い。だが、楠田医師は「早産は予防できず、母親が何かしたからなるものではありません」と話す。新生児集中治療室(NICU)に赤ちゃんが入院することによる不安も大きく、産後うつにつながる可能性もあってサポートが必要だ。NRNJの2019年の調査によると、母親や家族の心のケアのため、全国の主な周産期センターの8割以上で担当スタッフが配置されているという。

肥満のリスクも高くなる

 低出生体重児は健康リスクも…

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