家は母の本だらけ、どうすれば 清田隆之さんが提案する「本の語り」
悩みのるつぼ 相談者(20代女性)
今年60歳になる母は大の本好きで、子ども向けの絵本から大人の小説、エッセーまで、多種多様な本を収集しています。仕事は絵本専門の図書館での司書のパートです。家でも仕事でも本に囲まれて幸せそうな母ですが、困ったことがひとつ。家が本だらけで、生活に支障をきたすほどなのです。
本棚に入りきらない本がそこら中に積み上げられ、段ボール箱に入ったまま押し入れの中で眠っている本もたくさんあります。私が子どもの頃は、たまに古本屋で数冊買ってくる程度でしたが、今は古本のネットオークションなどもあり、購入頻度と量が増えていると感じます。
父と私から「これ以上本を買うのはやめて、今ある本も整理してほしい」と何度も伝えていますが、反省するふりをしたりムキになって言い返してきたりと、一向に改善されません。一番気に入らないのは買った本をほとんど読まずに満足していることです。高い値段で購入した本を開かずにしまい込んだままで、なぜ平気なのでしょうか。
私は母の影響で読書好きであり、母がたくさんの素敵な本に出会わせてくれたことにはとても感謝しています。ですが、今のままでは本という存在を疎ましく感じてしまうほど、母の蔵書に悩んでいます。母にどう伝えたら、どんな行動を取ったら、母の収集癖を直すことができるでしょうか。
回答者 文筆業・清田隆之さん
家中に母の本が積まれている。未読本も多いのに次々と購入するため、お金やスペースの無駄が気になって仕方ない。しかし言っても聞かず、ほとほと困り果てている。これが相談者さんの現在地です。私も出版業界の人間として身に覚えのある問題で、今回はお母さん寄りの意見になりそうな気がしてならず、そのことをあらかじめ断った上で回答していけたらと思います。
共有スペースを侵食し、家族…