生理は一生涯に400回 フェムテックで負担は解決できるか

有料記事オトナの保健室

机美鈴
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 現代女性が生涯で経験する生理は400回以上、費用は50万円に上るそうです。生理に伴う負担の大きさが指摘される一方、技術で女性の性に関する悩みの改善を図る「フェムテック」が話題です。生理の負担は技術で解決できるのでしょうか。(机美鈴)

 「生理の貧困」という言葉を広めた任意団体「#みんなの生理」の谷口歩実さん(24)。生理をタブー視する傾向は多少和らいだ一方、「生理の困難はフェムテックで解決だ」との安易な傾向が生まれているのではと警鐘を鳴らします。

「#みんなの生理」で活動してきた谷口歩実さん

 2020年に「#みんなの生理」を立ち上げ、生理用品への軽減税率の適用や、学校や公共施設への生理用品の設置、学校への生理休暇の導入などを求めてきました。これまでに生理の社会課題を把握した国内調査はほとんどなく、「5人に1人が生理用品の入手に苦労したことがある」との調査結果を発表したところ、「生理の貧困」として話題を集めました。

 経済的な貧困に限らず、知識や理解の乏しさ、医療へのアクセスの悪さなど、幅広い問題を提起したつもりでした。私たちが問うたのは、自己責任で生理のつらさに耐えるしかない一方で、生理のない人に最適化された社会の仕組みです。

 しかし、メディアは「貧しくてナプキンを買えない、かわいそうな女の子の話」として報じました。そのことは「スマホ代は出せるのにナプキンが買えないのはおかしい」「月経カップは繰り返し使えるからお金がかからない」といった無理解にさらされ、社会課題の認識が十分に進まなかった苦い思いがあります。

 そうしたなか、フェムテック…

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