「名画襲撃」活動家に影響 ベラスケス切り裂いたサフラジェットとは
トマトスープをゴッホの名画に投げつけた女性は、インタビューでこう言った。
「私たちはサフラジェットからインスピレーションを得ている」
今年、英国の環境保護団体「ジャスト・ストップ・オイル(JSO)」の抗議活動が耳目を集めた。名画にスープを投げつける。道路に座り込む。橋にぶらさがる。その特異な活動には賛否両論ある。
そのJSOに影響を与えたサフラジェットとは何者か。サフラジェットの歴史に詳しい武蔵大学の佐藤繭香教授(ジェンダー史)に聞いた。
さとう・まゆか イギリス近現代史にも詳しい。著書に『イギリス女性参政権運動とプロパガンダ』など。
――JSOの活動を見てどう思いますか。
社会の価値観を変えようとしているという意味でサフラジェットと共通していると思いました。また、人々の生活を不快にさせる手段についても似ていますね。
JSOのメンバーがサフラジェットの名前を出すのもイギリスらしいなと思います。世代を問わず誰もが知っていますから。ロンドン五輪(2012年)の開会式では、サフラジェットを紹介する演出がありました。それくらい英雄視されています。
――日本ではそこまで知られていません。私も正直知りませんでした。サフラジェットとは何者でしょうか。
教会を爆破したり、競馬場を放火したり。バッキンガム宮殿も狙われました。サフラジェットは何者で、なぜ過激な活動をしたのでしょうか。歴史を振り返りながらジャスト・ストップ・オイルの今後も考えます。
20世紀初頭のイギリスで女…