犬猫の「殺処分ゼロ」を目指す取り組みが浸透し、ペットを飼おうという際に保護犬や保護猫を選択肢に入れる動きが広まっています。一方で、業者が繁殖に使っていた犬猫などの譲渡活動に参入する企業や団体も出てきています。こうした中で「保護犬」「保護猫」という呼称の使い方や譲渡費用のあり方などを巡り、疑問の声も上がっています。現場を取材しました。
金沢市内の県道沿いに立つ大型商業施設。その一角に昨年12月、子犬や子猫を販売しないペットショップが開店した。普通のペット店と同じようにショーケースはあるが、そこには成犬と成猫が入れられている。業者のもとで繁殖に使われていたが、一定の年齢を超えたり、健康上の問題が生じたりして「引退」した犬たち、猫たちだ。新たな飼い主に、ペットとしてもらわれる機会を待っている。
店舗を運営する大手チェーンAHBは全国で約130店を展開、年間3万匹以上の子犬・子猫を売る。川口雅章社長は「子犬・子猫を販売している企業として、繁殖に使われていた犬猫がペットとしての余生を送れるよう、新たな飼い主との出会いの機会を作る責任がある」と話す。来年早々にもう1店、同様の店舗を出店する計画だ。
同社は、これら譲渡に取り組む犬猫を「パートナードッグ」「パートナーキャット」と呼ぶ。「保護犬」「保護猫」という呼称を避けたのは、捨てられるなどした後に「保護」するというプロセスを経ていないから。元は繁殖に使われていたという来歴を、来店者に正確に認識してもらう狙いもある。
別の大手チェーン「Coo&…