大将、このネタ何? 捨てていた「未利用魚」人気、通販では予約待ち

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東野真和 原篤司
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 ユメカサゴ、ゴソ、ギンマトウ――。

 東大大気海洋研究所(千葉県柏市)の敷地内にあるすし店「お魚倶楽部はま」では、聞いたこともない魚の札がついた握りずしが並ぶ。口に入れるとほのかな甘みがあったり、肉厚で軟らかかったり、普通のすしと遜色ない味だ。

 店には早朝、全国の漁師や仲買人から「珍しい魚が入った」と電話があり、店主の浜弘泰さん(76)が送られてきた魚で、その日のネタを決める。店の棚には魚の写真を収めたファイルがあり、どんな魚か分かるようにしている。

 浜さんは、市場で名前を知らない魚やサイズの小さい高級魚が安く売られているのが気になり、こういった「未利用魚」を30年ほど前から扱い始めた。今までにさばいた魚は700種以上にのぼる。

 客は当初、大学関係者が多かったが、最近は未利用魚目当てに、女性を中心として学外から訪れる人が増えているという。

 浜さんは「未利用魚への注目が高まっている。でも有名になって、みんなが食べたいと言うと値が上がるんだけどね」と笑う。

 三陸沿岸の飲食店でここ数年、重宝されているのが深海魚のドンコ(エゾイソアイナメ)だ。鮮度が落ちやすいため遠方には流通せず、地元でも安く取引されていた。

 岩手県宮古市道の駅たろうの「善助屋食堂」では、大きく切った身を揚げて温泉卵を添え、甘辛いたれで食べる「どんこ唐揚げ丼」が看板料理になった。

 釜石市居酒屋「わこう」では、唐揚げやたたきが人気だ。店主の藤井和幸さん(73)は「サケもサンマも取れなくなった。手ごろな値段でたくさん出せて、ありがたい」と話す。東野真和、原篤司)

記事後半では、「未利用魚」の通販について紹介します。サービスを始めたところ、予約待ちになるほどの人気ぶりです。

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