「昭和の鉄道少年」が抱いた「鉄道150年」ブームへの違和感
聞き手・中島鉄郎
小学生時代から半世紀近くにわたって、鉄道を撮り続けている写真家の丸田祥三さんはこの1年、「鉄道150年」ブームに何か乗り切れずにいたといいます。1972年の「鉄道100年」の空気をリアルタイムで感じた元「昭和の鉄道少年」は、何に違和感を抱くのでしょうか。
リレーおぴにおん 「鉄道150年」
「鉄道150年」に関連した新聞や雑誌の特集は数多く、また記念イベントには鉄道ファンが詰めかけていると聞きます。
でも、その主役は「部分開業」の西九州新幹線くらいしか見当たらないし、何か「アニバーサリー(記念年)のためのアニバーサリー」のように感じて白けてしまいます。
それは私が元「昭和の鉄道少年」だからなのでしょうか。
東京・新宿に生まれ、将棋指しの父親から譲り受けた古いリコーのカメラで、子どもの頃から鉄道やバス、車を撮影していました。
主に1970年代、小学生時代に撮った約200枚の写真は99年になって、「1977鉄道少年の旅」という本に収められました。
どれも70年代の貴重な記録ですが、今年、何かにつけて思い出すことが多いのは、そこにはない写真で、「鉄道100年」の72年に撮影した一枚です。
■SLと新幹線 新旧交代の「…