集合写真で口を覆ったドイツ代表 日本戦前、腕章巡りFIFAに抗議

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 サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会の日本対ドイツ戦の試合開始前、ドイツの出場選手11人が右手で口を覆って集合写真に写った。多様性や差別撤廃を訴える「One Love」と書かれたキャプテンマークの着用を国際サッカー連盟(FIFA)が認めなかったことに対する抗議だという。

 同性愛者などへの差別反対を表現した「One Love」の腕章は、カタールでの人権問題に抗議する狙いで、イングランドやドイツなど7チームの主将が今大会中に着ける予定だった。

 しかし、FIFAが21日になって、腕章を着けて試合に出ればイエローカードを出すなどの「制裁を科す」と通告し、各チームは着用を断念。ドイツの選手たちはFIFAに抗議するため、「口を封じられた」とのジェスチャーで写真撮影に臨んだ。

 ドイツサッカー連盟はキックオフ直後にツイッターで、「私たちは腕章を使って、ドイツ代表が掲げる多様性や互いを尊重するという価値観を示したかった」とツイート。口を覆った集合写真も投稿した上で、「政治的な主張をしたかったわけではない。ただ、人権は何にも譲れないもの。腕章を認めないことは、私たちの声を認めないことと同じだ。私たちは自分たちの立場を貫く」と訴えた。

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 腕章は、スタジアムを訪れて…

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    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・途上国教育専門家)
    2022年11月24日22時13分 投稿
    【視点】

    スポーツ史に残る一枚の写真。イングランドやウェールズのキャプテンも、着用を反対されたレインボーのアームバンドの代わりに、no discrimination と書かれた白黒のバンドを着用して、差別反対を訴えた。FIFAやホスト国に対して選手た

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    福田充
    (日本大学危機管理学部教授)
    2022年11月25日14時16分 投稿
    【視点】

    サッカーW杯カタール大会で指摘された問題はこのLGBTQ問題を訴えるアームバンドだけではない。カタールの競技場建設現場で数多くの外国人労働者が死亡した問題は、世界の児童労働や貧困層の違法労働、外国人労働による人権を無視した労働環境によって支

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