反ワクチン「神真都Q会」にいた5人の公判 陰謀論の怖さ浮き彫りに

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藤原学思
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 米国発の陰謀論集団「Qアノン」から派生した団体とされ、新型コロナウイルスワクチンの接種に反対している「神真都(やまと)Q会」のメンバーだった5人の公判が17日、東京地裁であった。被告や親族が法廷で語ったこととは――。

 17日午前10時。公判が開かれる東京地裁429号法廷の周辺は、厳重な警備が敷かれていた。通路には柵が置かれ、1人しか通れない狭さになっている。

 20人ほどの警備員や職員が見守るなか、傍聴者はバッグや携帯電話を預け、身体検査を受ける。開廷後、裁判長がマスク着用を促したが、複数の人がマスクをしていなかった。

 起訴状によると、神真都Q会の幹部、倉岡宏行被告(44)は今年3~4月、コロナワクチンの接種会場になっていた東京ドーム、渋谷のこどもクリニック、新宿の区立施設の計3カ所に他のメンバーらと共謀して無断で押し入ったとして、建造物侵入の罪に問われている。初公判で起訴内容を認めていた。

 倉岡被告は「岡本一兵衛(いちべえ)」の名で知られ、神真都Q会の事実上のリーダーだったとされる。検察の冒頭陳述によると、神真都Q会は「最悪最強巨大権力支配から『多くの命、子どもたち、世界』を救い守る」との目標を掲げ、活発にデモ活動をしていた。

なぜ、反ワクチンに傾倒したのか

 朝日新聞が逮捕前に確認したところ、デモは主に、メッセージアプリ「LINE」で、誰でも参加できる「オープンチャット」という機能を使って呼びかけられていた。3月末時点で、全国47都道府県で72のオープンチャットがあり、計約1万3千人が参加していた。

 検察側の冒頭陳述によると、ワクチンに関する抗議活動は団体内で「アライアンス(同盟)活動」や「凸(とつ)」と呼ばれ、3月から各地で活発化していったという。

 では、動機はどのようなものだったのか。被告の親族はどのように思っていたのか。17日の法廷で、その一端が明らかになった。

 「ひねくれているところがあ…

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