私たちが体育を嫌いになった理由 頑張っても「やる気ない」と怒られ
多くの子どもたちにとって、体を動かすことやスポーツの入り口になる体育。ところが、体育が嫌いで、運動自体から遠ざかってしまったという人も少なくありません。
なぜ体育嫌いになってしまうのか。どうやったら変えられるのか。「#ニュース4U」に寄せられた声や、記事への反響から考えます。
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青森県八戸市の女性(46)は、高校の体育にあった体操の平均台が苦い思い出だ。
教員からは、手先まで集中して動かすように言われたが、出来なかった。クラスの前で見られるのが恥ずかしかったが、自分なりにがんばったつもりだった。
だが教員からは、やる気がないと怒られた。
「できないことをがんばっても、教員は認めてくれなかった。『ここまでがんばりなさい、できないことではない』というラインを先生が勝手に決めていた」と女性は振り返る。
北九州市出身の会社役員の大村成雄さん(45)はチームスポーツが嫌だった。
小学生の頃、体育の授業でチームを二つに分けるときに、上手な子がキャプテンになって、順番にメンバーを選んでいくやり方があった。そういう時は、いつも一番最後か、その直前まで残った。疎外感を強く感じた。
「スポーツは勝ち負けを決めるので、自分が負ける原因になっていると思ってしまうこともつらい。勝ち負け以外の楽しみ方を先生が教えてくれていればよかったのに」と話す。
努力しても評価されない……
体育が苦手な子への配慮を求める声もある。
神奈川県内の20代女性は、素早く動くのが苦手。小学時代の体育のドッジボールでは、常にターゲットだった。怖くて、いつも外野に立候補していた。
「柔らかいボールを使ったり、苦手な子に対しては強く投げないように指導したりするなどの配慮があれば、嫌いにならないのでは。習熟度別に授業してもよいと思う」という。
ほかにも、成績の付け方について「現状の実技能力だけで評価されるのは納得がいかない。どれだけ努力して伸びたかも評価してほしい」と改善を求める声も相次いだ。
服装がきっかけで嫌いになったケースも。
東京都内の40代の地方公務員女性は、中学生の頃、発達が遅いことがコンプレックスだった。体操服は身体のラインがわかりやすく、男子にからかわれた体験から、体育自体もますます嫌いになった。「服装がきっかけで体育が嫌いになるのはもったいない。できるところは変えてほしい」
指導なく、できないと怒られる
実技だけでなく、スポーツの歴史や作戦の指導などの授業があれば、興味を持つ人も増えるのでは――。こう提起するのは、東京都内の大学教員の男性(67)だ。
小中学校の時は、走ること以…
- 【視点】
少年スポーツや、中学校の部活動も、体育指導の現場とそんなに変わらない状況かと思います。 できないと叱られる。やる気がないと決めつけられる。試合に負けると、指導者が急激に機嫌が悪くなる。多くのコーチが「勝ちたい気持ちが足らなかった」と話すの
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