【詳報】ウクライナ侵攻51、11月16日~25日(日本時間)の動き
ロシア軍が、ウクライナ全土の電力施設などを狙ったミサイル攻撃を激化させています。攻撃を受けて国連安全保障理事会は23日に緊急会合を開催。オンライン参加したウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアの行為を「エネルギーテロ」と非難しました。
(タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)
【プレミアムA】「死の通り」 ブチャ 生存者の証言
大量虐殺の悲劇に見舞われた街ブチャに「死の通り」と呼ばれる場所があります。生存者が語るロシア占領下の「絶望の1カ月」とは。金成隆一記者が住民の証言を丹念に集めました。現地からの写真や映像とともに伝えます。
■■■11月25日(日本時間)■■■
23:25(ウィーン15:25)
ウクライナの4原発、再び送電網に接続 IAEA
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は25日、ウクライナ中南部にある欧州最大のザポリージャ原発のほか、リウネ、南ウクライナ、フメリニツキーの4原発が再び国内送電網に接続されたと発表した。砲撃などのため今週に入り、外部電源が失われた状態だった。
また、IAEAは同日、廃炉作業中のチェルノブイリ原発での1週間にわたる視察を終えた、と発表した。視察は原子力の安全システムの向上を図る狙いだった。来週には南ウクライナ原発に専門家を派遣するほか、リウネ、フメリニツキーの両原発にも近く、専門家を派遣する予定。ザポリージャ原発には専門家が9月から常駐している。
21:13(ヘルソン14:13)
ヘルソンから患者避難、ロシアの砲撃やまず 知事がSNS投稿
ウクライナ南部ヘルソン州のヤヌシェビッチ州知事は25日、ロシア軍からの砲撃がやまないとして、ウクライナ軍が奪還したヘルソン市の病院から患者たちを避難させていることをSNSで明らかにした。
ヤヌシェビッチ氏によると、市内の州立病院で治療を受けていた子どもたちが、すでに南部ミコライウへ移った。ヘルソン市にある精神医学系病院の患者も市外に避難したといい、今後は南部オデーサで療養を続ける予定だという。
ヘルソン市とその周辺地域では24日、ロシア軍からの砲撃で10人が死亡、54人が負傷している。
16:06(ロンドン07:06)
ロシア、正面攻撃で大きな被害か 英分析
英国防省は25日、ロシアで動員された予備役兵が、訓練や装備が不十分なまま、厳しい戦闘任務を強いられているとの分析をツイッターに投稿した。砲撃にさらされながらの任務や、相手陣地への正面攻撃による犠牲が大きいという。
英国防省によると、攻防が続く東部ルハンスク州のスワトベ周辺では、ウクライナ軍の砲撃下で塹壕(ざんごう)を掘っていたロシア軍の予備役兵に大きな犠牲が出た。東部ドネツク州のバフムート周辺では、守りの堅いウクライナ軍陣地に正面攻撃を仕掛けた予備役兵が、大勢亡くなったという。
英国防省は、こうした予備役兵の多くが過去に軍務を経験していることから、ロシア軍が彼らの健康状態を十分確認しないまま任務に就かせている可能性が高いとも指摘。深刻かつ慢性的な病気を抱えた兵士が多くいる、と見立てている。
06:31(キーウ24日23:31)
国内4千カ所に「不屈センター」 ゼレンスキー氏、停電など備え
ロシアの攻撃によってウクライナ各地で起きている停電や断水をめぐり、同国のゼレンスキー大統領は24日、「不屈センター」と名付けた支援施設を国内ほぼ全域の4362カ所に設けたことを明らかにした。電気やインターネットを使うことができ、暖房や水も備えたシェルターだという。
この日の国民向けビデオ演説で述べた。ゼレンスキー氏は「あなたの街で電気や暖房が12時間以上使えていない場合は、不屈センターをぜひ使ってほしい」と呼びかけた。
ゼレンスキー氏によると、国内のほぼ全域で、電力供給が「難しい状況」が続いている。水の供給では、首都キーウ(キエフ)など15の地域で支障が生じているという。
ゼレンスキー氏はまた、ウクライナ南部ヘルソン市で7人が死亡したとされるロシア軍の砲撃に言及。ウクライナ軍が同市をロシア軍から奪還したことを踏まえ、「(砲撃は)敗者の復讐(ふくしゅう)だ。戦い方を知らない彼らにできるのは、(人々に)恐怖を与えることだけだ」とロシア軍を非難した。
06:07(ヘルソン24日23:07)
ロシア軍の砲撃で7人死亡、知事がSNSに投稿
ウクライナ南部ヘルソン州のヤヌシェビッチ知事は24日、州都ヘルソン市がロシア軍の砲撃を受け、7人が死亡、21人が負傷したとSNSに投稿した。住宅街が攻撃を受け、高層住宅で火災が起きたほか、子どもの遊び場にも砲弾が落ちたという。
02:35(キーウ24日19:35)
ウクライナの行方不明者「1万5千人以上」
ロイター通信によると、オランダ・ハーグに本部を置く「国際行方不明者機関(ICMP)」は24日、ロシアによるウクライナ侵攻で、1万5千人以上が行方不明になっている、と同通信への取材に明らかにした。
同通信は、激戦地となった同国南東部の港湾都市マリウポリだけでも、当局が死者と行方不明者を推定2万5千人としていることを考えれば、1万5千人以上という見方は「控えめなものだ」と伝えた。ICMPの担当者は、ウクライナでの戦闘が終わった後も行方不明者の調査には何年もの時間を要するだろう、と語ったという。
ICMPは、ボスニア内戦で相次いだ虐殺の被害者らの身元を確定するため、1996年に設置された組織。法医学者ら専門家が世界各地で、政府当局などと協力しながら身元確認などの調査にあたっている。今年7月、ウクライナの首都キーウ(キエフ)に事務所を開設し、ウクライナの行方不明者の追跡や情報収集に協力している。
02:33(モスクワ24日20:33)
ロシアとウクライナが50人の捕虜交換
ロシアとウクライナは24日、それぞれ50人の捕虜交換を行った。
ウクライナのイエルマーク大統領府長官は、50人のうち19人が南東部マリウポリの防衛に当たっていたとSNSに投稿。ロシア国防省は、解放されたロシア兵50人が喜ぶ様子を動画でSNSに投稿した。
ロシアによるウクライナ侵攻が2月に始まってから、千人以上の捕虜交換が行われている。
■キーウのミサイル攻撃、死者…