体育嫌い、女性に多いのはなぜ? 苦手でも運動を楽しめる教育とは

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忠鉢信一
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 井谷恵子・京都教育大名誉教授は、「体育嫌い」の人に焦点を当てて研究をしてきました。ジェンダーやセクシュアリティーの視点を軸に持ち、体育嫌いの声を体育やスポーツの実践につなげようとしています。

 体育嫌いの声から、何が見えてくるのか。いまの体育のあり方は、どのような問題があるのか。詳しく聞きました。

 ――これまで、「体育嫌い」の人の声を聞く取り組みを続けてこられました。どんなきっかけだったのですか。

 もともと、体育を通じて子どもがなにを学んでいるのかに関心がありました。「体育嫌い」に注目したのは最近のことで、研究を通じて、体育嫌いの子どもたちが、嫌いだということを黙っていることに気づいたことがきっかけです。

 体育嫌いの人が、思いや考えを声にしやすいよう、グループインタビューという手法を使いました。参加者はグループになり、まずお互いの経験を共有します。参加者は、嫌な経験をしたのは自分だけではなく、体育自体に様々な要因があることに気づきます。

 教師に与えられた課題をできなかったのだから仕方がない、自分に悪いところがあった、と考えがちだったのが、体育が嫌いな他の参加者の体験や思いを聞いているうちに、体育を嫌いなのは自分のせいではない、と気づいていきます。

 ――そこから、何が見えてきたのでしょうか。

 無意識の視線や言葉、無自覚な強制のせいで、体育に対してポジティブになれない子どもたちは、運動したくても手足も心も伸ばせなくなっている現実です。

 体を動かすのは楽しいのに…

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