西宮のビール工場跡地で古墳8基見つかる 13日に一般向け説明会

井岡諒
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 兵庫県教育委員会は、西宮市津門大塚町のアサヒビール工場跡地の地中から、8基の古墳が見つかったと発表した。最大の古墳は全長約21メートルの円墳で、地域の首長が埋葬されたと考えられるという。13日には現地で、調査員による一般向けの説明会がある。

 県教委によると、見つかった古墳は円墳2基と方墳6基。円墳1基は古墳時代の前期(3世紀後半~4世紀ごろ)、他の7基は後期(6世紀ごろ)に築造されたとみられる。古墳を囲む壕(ごう)からは人や動物をかたどった埴輪(はにわ)や須恵器などが大量に出土したほか、死者と一緒に葬られたと考えられる牛や馬の歯も見つかった。

 最大の古墳は後期に築造されたとみられ、祭祀(さいし)場所とされる方形の「造り出し」が設けられていた。他の6基は1辺3~10メートルの小型方墳だった。県立考古博物館の和田晴吾館長によると、西宮市内の平野部はほとんど古墳が残っておらず、今回の発見は「当時の阪神間地域の社会情勢を探る手がかりになる重要な史料となる」という。

 アサヒビール工場は2012年8月で操業を終え、跡地は県立西宮総合医療センターの建設予定地になっている。工場の解体工事で出土品が見つかったため、センターの建設に先立って県教委が調査していた。

 現地説明会は午前10時から午後3時の間に随時行う。問い合わせは現場事務所(0798・22・8588)。(井岡諒)

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