心神耗弱に乗じて1億3千万円を不当に得たか 準詐欺容疑の探偵業者

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大山稜 御船紗子
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 警視庁は2日、相談者が心神耗弱状態だと知りながら不当に調査料を支払わせたとして、探偵事務所運営会社「マピオティブ」(東京都渋谷区)の社長ら男3人を準詐欺容疑で逮捕し、発表した。同庁は、同社が同様の方法で215人から計約1億3千万円を得ていたとみている。

 逮捕されたのは同社社長の安藤巨樹(なおき)容疑者(49)=東京都港区=と、いずれも当時従業員だった保谷(ほうや)直紀(35)=千葉県船橋市=、沢田昂太(27)=埼玉県飯能市=の両容疑者らの計3人。

 生活安全総務課によると3人は2020年5~11月、「電磁波攻撃を受けている」などと相談してきた50代の男女2人が心神耗弱で正常な判断ができない状態であることにつけ込み、調査料として現金計約80万円を不当に支払わせた疑いがある。同課は3人の認否を明らかにしていない。

「誰かが電磁波を出している」

 安藤容疑者らは相談にきた被害者に対し、「法律の規制値内だが若干高めの電磁波の数値が出ている」と根拠のない調査結果を提示。「誰かが故意に電磁波を出している可能性がある。嫌がらせしている犯人を特定しましょう」などと契約を持ちかけていた。

 被害者2人には精神疾患があったといい、同庁は、判断能力が低下している人と知りながら、その相談を受けて調査の契約を結んだ行為が刑法の「準詐欺」容疑に当たると判断した。探偵業者が心神耗弱者を標的にした準詐欺容疑で摘発されるのは、全国的にも異例という。

 判断能力が不十分な人が巻き…

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