第8回禁句にした「移民」と「単純労働者」 外国人受け入れ、攻防の舞台裏

 少子高齢化が急速に進む中、「移民」を受け入れるべきかどうか――。反発が強い日本では長年、「移民は受け入れない」という建前を守りながら、「裏口」から外国人労働者を入れてきた。「正面」からの受け入れを実現する「特定技能」制度が導入されたのは2019年のことだ。自民党でこの議論をリードしてきた木村義雄・元参院議員(74)に、歴史的な攻防を聞いた。

 ――05年に自民党内で「外国人労働者等特別委員会」を立ち上げ、委員長に就きました。この年、木村さんら自民党の国会議員約80人は外国人材交流推進議員連盟も結成し、08年には「人口の1割を移民とする多民族社会をめざす」などと、大胆な提言もしました。

 私自身がこの問題に関わった…

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この記事を書いた人
浅倉拓也
大阪社会部
専門・関心分野
移民、難民、外国人労働者
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    真鍋弘樹
    (朝日新聞フォーラム編集長=社会、国際)
    2022年11月7日12時18分 投稿
    【視点】

    政治家の本音を引き出した、極めて興味深いインタビューです。「移民」という言葉を使うと議論が進まなくなるから、「どう使わないようにするか」と。 国際的な定義にてらせば、日本で働いている外国人の多くは「移民」と言って間違いありません。しか

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