認知症マフを知っていますか ニットがつなぐ穏やかな時間と記憶

有料記事多事奏論

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記者コラム 「多事奏論」 大阪編集局記者・河合真美江

 認知症マフと聞いて、最初はピンとこなかった。

 筒状のニット小物で左右から手を入れられる。色とりどりの毛糸で編まれ、横幅25~40センチ、縦15センチほど。ボタン飾りや小さな人形が外側にも内側にも縫いつけられて、いじると楽しい。そう説明されても……。でも実際にマフを手にすると、柔らかくて愛らしくて、ほおずりしたくなる。

 「twiddle muff(手でいじる筒状防寒具)」という。触れると落ち着き、安らぐとイギリスで認知症高齢者のケアのため広まった。

 朝日新聞厚生文化事業団の職員がイギリス視察で知り、4年前にワークショップを始めた。マフを作って高齢者施設や病院、家で使ってもらい、認知症をもっと知る糸口にしてもらえたらと。

 この夏、ボランティア団体や社会福祉協議会にマフ作りが広がっていると記事で紹介した。すると、作ってみたいという問い合わせが事業団などに相次いだ。

 認知症はひとごとではない…

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