かけっこはいつもビリ、憂鬱な運動会 つらい思い出にしないためには

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松本千聖
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 この秋、お子さんの運動会に参加されたという方も多いのではないでしょうか。小学校の一大行事の一つですが、楽しみにする子も多い一方で、体育が嫌いな子や集団行動が苦手な子にとっては、そうではないことも。

 運動会って、そもそも何のため? どうすれば子どもたちの成長につなげられる? 改めて考えました。

 東京都に住む女性(25)は、小学校時代、運動会が近づくと憂鬱(ゆううつ)な気持ちだった。運動が苦手で徒競走はいつも最下位。組み体操やダンスなど集団での種目で、できるまで何度も練習させられるのもつらかった。

 女性は今、児童養護施設で働いている。関わっている子どもたちの中には運動が苦手な子もいて、運動会が近づくと不安定になることも。

 「どうせ活躍できない。恥ずかしいから見に来ないで」。そんなふうに言われることもある。実際の本番では頑張ってはいるが、終始顔を背け恥ずかしそうにしているのが気がかりだ。

 「どうしても運動神経のいい子が注目される場。そうではない子にとっても充実感が得られるようになればいいのに」

表面的なできばえや勝ち負けよりも

 運動会は、いつごろから始ま…

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この記事を書いた人
松本千聖
くらし科学医療部
専門・関心分野
医療、子どもや女性の健康、子育て
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    若新雄純
    (プロデューサー・慶応大特任准教授)
    2022年10月31日21時31分 投稿
    【視点】

    自分が勝てば、誰かが負ける。逆も然り。敗者を思いやる心を育むためにも、徹底的に勝ちにこだわる場が必要かも。肝は、その学びを促す教員の存在だと思う。

    …続きを読む