「マスクしろ」指摘された長男の異変 長引くコロナ禍、増える不登校

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武田啓亮 高浜行人 編集委員・氏岡真弓 同・宮坂麻子

 神奈川県の会社員女性(40)が長男の異変に気付いたのは、昨年10月上旬の朝だった。

 長男はこのとき小3。普段は女性より早く目を覚ますのに、午前7時を過ぎても起きてこない。

 「朝だよ。起きて支度しないと」。寝床で声をかけ、ゆすってもほとんど反応がない。

 前日は午後8時半には寝たはずだ。普段は物音に敏感で、ちょっとした動きにも反応してすぐに起きてしまうのに。

 なにか大変なことが起きている。そう思った。女性はこの日長男に付き添ったが、昼ごろまで起きなかったという。

 会社員の夫は「できるだけ学校には行くべきだ」と言い、学校側も登校を促した。女性は毎朝、長男に状態を聞いて行けると答えた場合は行かせた。その後、1日登校し、数日休むという状態が続いた。

 この間、様々な医者やカウンセラー、臨床心理士に意見を聞いた。すると、無理に学校に行かせずにまずは休むことが必要だという助言も多かった。夫婦でも話し合い、夫も理解を示してくれるようになった。

 2週間ほど経ち、女性は言った。「学校、少しお休みしようか」。「うん」と答えた長男のほっとしたような顔が忘れられない。

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武田啓亮
デジタル企画報道部|withnews
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歴史、戦争と平和、教育、サブカルチャー