沖縄パルコ前に広がるサンゴの海、なくなるのはなぜ? 賛否を聞いた

沖縄はいま

沖縄タイムス
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 米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の沖縄県浦添市への移設を巡り、防衛省が提示した形状案を県が容認した25日、民港を合わせた港湾計画の進展を望んでいた浦添市の経済界からは「喜ばしい」と歓迎の声が上がった。一方、市民からは移設に向けた作業が加速することに「貴重な自然海岸を活用する視点が抜け落ちていないか」と疑問の声も上がった。

 浦添商工会議所の西村聰会頭は「国、県、那覇市、浦添市、那覇港管理組合で合意形成が図られたことは大変喜ばしい」とコメントを発表した。

 軍港の議論が進み、民港部分の那覇港湾計画が本年度内に改訂される動きを歓迎し「待ち望んでいた浦添市の自主事業であるコースタルリゾート計画の早期実現に向け、一歩踏み出すことになる」と話した。

 経営するカフェ「ラット&シープ」で自然の大切さを考える展示会を開いている浦添市在住の写真家、タイラジュンさん(50)は「戦後に強制的に土地を接収されて造られた米軍基地と軍港の移設は、経緯があまりにも異なる」と違和感を拭えない。

 移設を容認する立場ではないが、反対の声を上げるだけでは未来を描けないとも考えている。「せめて民港部分は一度立ち止まり、自然を残す利益、埋め立てる利益をそれぞれ考えてほしい。まだ諦めず、いろいろな立場の人と語り合いたい」と話した。

 この日、サンエー浦添西海岸パルコシティ前の海岸では引き潮の浅瀬を散策する観光客や県民の姿が見られた。

 妹を連れて訪れた城間早紀さん(23)=南城市=は「引き潮のリーフを歩くのが好き。海はきれいだし魚がいっぱいいる」と笑顔で話し、潮だまりをのぞき込んでいた。

 西海岸道路の開通で初めて訪れ、その美しさに驚いたという。「この海がなくなるのは残念。自然が壊されるのは嫌なので埋め立てないでほしい」と話した。(沖縄タイムス)

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