国交省が阿佐鉄調査 専務逮捕受け、鉄道事業法上の問題を確認へ
杉田基
線路も道路も走れるDMVを運行する第三セクター、阿佐海岸鉄道の代表取締役専務、南博文容疑者(57)が、自分が経営する広告会社をめぐる詐欺などの疑いで逮捕された事件に関連し、国土交通省が同鉄道と徳島県に、南容疑者の経済状況や処遇などについて事情を聴いていることが25日わかった。鉄道事業法上の問題がないか調査するという。
徳島地裁によると、南容疑者は1月、経営する広告会社とともに破産手続きの開始決定を受けた。その後、公募に応じて同鉄道に採用され、6月に同鉄道の代表取締役専務に就いた経緯がある。
国交省鉄道事業課によると、鉄道事業法では、役員が「破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者」に該当する場合、国交相は鉄道事業の許可をしてはならないと規定されている。
担当者は一般論としながら「事実関係が確認されれば、是正措置を求める。会社がそれに応じた場合は直ちに事業停止や許可取り消しとはならない」と説明している。
同鉄道は取材に「本人と接見できておらず、事実確認が十分できていない。調査には誠実に協力していく」、徳島県次世代交通課は「(採用時に)南容疑者が破産手続き中かどうか把握していなかった」としている。
南容疑者は、自分が経営する広告会社で金融機関から融資金400万円をだまし取ったとする容疑で徳島県警に19日、逮捕された。