トラス英首相、辞任表明の背景 「EU離脱が大きく関係」と英専門家

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聞き手・杉山正 和気真也
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 経済政策の失敗から、英国のトラス首相がわずか40日余りで辞任を表明しました。保守党は来週中に、新たな党首を選出する見通しです。7年間で5人目の首相が誕生するという異常事態ですが、かつて安定した議会制民主主義と言われた英国で何が起きているのでしょうか。保守党に詳しいロンドン大のティム・ベイル教授(政治学)に聞きました。

 ――英国の政治が不安定化しています。背景には何があるのでしょうか。

 英国のブレグジット(欧州連合〈EU〉離脱)と大きく関係しています。特に保守党の不安定化と経済の劣化をもたらしました。ここ数年、保守党は指導者選びに失敗し、明らかに職を遂行できない人を選んできました。テリーザ・メイ氏(元首相)は旗振り役として魅力に欠け、逆にボリス・ジョンソン氏(前首相)は政策には関心がない単なる旗振り役でした。

 リズ・トラス氏(首相)は、首相の役割を全うするには空論に固執しすぎ、コミュニケーションが下手でした。不安定化の理由は、ブレグジットであり、リーダーシップの問題でもあります。

 ――なぜ指導者選びに失敗したのでしょうか。

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 英国の政治をブレグジットに…

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