JR赤字ローカル線の存廃問題 岡山県北部の9市町長ら初の意見交換

礒部修作
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 JR西日本の赤字ローカル線の存廃問題を抱える岡山県北部の9市町の首長らが17日、津山市役所に集まり、利用促進などについて初めての意見交換会を開いた。圏域の一体感を醸成するのがねらい。今後は国会議員や県、JR西に対し、ローカル線存続の要望書を提出することも検討する。

 参加したのは姫新線と因美線、津山線の沿線の津山、新見、真庭、美作の4市と久米南、美咲、勝央の3町に、津山駅までのバスが走る鏡野、奈義の両町。副町長の出席やリモート参加の自治体もあった。

 津山市が開催を呼びかけた。「3線の沿線が一体となって考えないと、利用促進につながらない」(担当者)として、存廃問題が浮上していない自治体にも参加を求めた。

 国や県の対応には、「道路にお金を出して鉄道に出さないのはおかしい」「国や県が積極的に関わる必要がある」といった指摘が相次いだ。

 JR西に対しては、「『乗りたいときに列車がない』と言われることもあるが、乗りやすい時間帯に列車を走らせる努力をしないと」との意見が出た。都市部を走る電車に比べて乗り心地の悪いローカル線の課題や、環境に配慮して非電化区間でも走行できる蓄電池電車を運行する案が挙がった。

 一方、沿線住民についても、「鉄道を守るという意識を醸成する必要がある」「自分のこととして捉えてもらわないと」といった注文が出た。

 太田昇・真庭市長はローカル線存続の要望書づくりを提案したが、一部で慎重論が出たため、今後の検討課題として落ち着いた。

 ローカル線のあり方については、国土交通省の有識者会議が7月、1キロあたりの1日平均乗客数(輸送密度)が「1千人未満」などの路線について見直しの対象とする提言をまとめた。

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