「日本最古のトイレ」に車突っ込み扉壊れる 京都・東福寺の「東司」
17日午前9時半ごろ、京都市東山区本町15丁目の東福寺で、文化財保護団体職員の男性(30)が運転する乗用車が国重要文化財の木造建築「東司(とうす)」に衝突し、出入り口の扉を壊した。東司は室町時代前期に建てられ、現存する国内の禅寺で最古の便所として知られる。
京都府警東山署によると、壊れたのは東司の出入り口の木製の扉(縦約2・4メートル×横約2・8メートル)。扉に背を向けるように停車していた車を発進する際、ギアがバックに入っていることに気づかないままアクセルを踏み、扉を壊して東司の内部に突っ込んだ。男性が「建物の中に突っ込んだ」と110番通報した。
寺や府文化財保護課によると、東司は寺の100人以上の修行僧が一斉に駆け込んでいたことから「百雪隠(ひゃくせっちん)」という別名を持つ。深さ約30センチの穴でできたトイレ約20個が2列に並んでいる。明治初頭まで実際に使われていたとみられる。
寺の永井慶洲(けいしゅう)・宝物殿管理室長は「まだ修理できる程度の損害でよかった。なんとか元の形に戻したい」と取材に話した。
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