「体育の見学なし」宣言した先生 学び直して気づいた子ども目線
忠鉢信一
「私の体育の授業に、『見学』はありません」
東京都世田谷区立桜丘中学校で保健体育を教える赤羽淳さん(35)は、年度の最初の体育で生徒たちにそう告げる。
「体を動かせないときに『見学します』って言うけれど、実技ができなくても学習に参加できます。だから、わざわざ『見学します』と言いに来なくてもいいです」
「見学」のない体育。いったいどういうことなのだろう。
赤羽さんも以前は、生徒一人ひとりの「見学」の数を記録していた。その数が増えると、ほかの教師の体育での見学者の様子が気になった。
見学者が多く出るのは、自分の教え方がつまらなくて、生徒に避けられているからなのかな、と思っていた。
そんな不安から、赤羽さんは、なんとかして実技をさせようとする声かけを生徒にするようになった。
「実技をさせること」へのこだわりを捨てたら…
だが、言われた生徒は実技を…
- 【視点】
「体育が嫌い」という声をたどっていくと、健康的に体を動かす習慣を作るはずの体育が、運動嫌いを増やしてしまっているのではないか、という思いが募ります。 なぜそうなっているのか。これまでの記事も読みながらいろいろ考えていたつもりでしたが、
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