エントリーシートに顔写真不要 「門前払い」を排除、広がる人物本位
三浦惇平 石山英明
企業が社員の採用試験で提出を求めるエントリーシートなどで、フルネームや性別の記入、顔写真の添付を不要とするケースが少しずつ増えている。面接に進めば顔などは分かるのに、どんな狙いがあるのか。
「学生時代にがんばったことは」「人生に影響を与えた転機は」……。
東京海上日動火災保険が9月下旬まで実施した秋の採用試験。ホームページの応募画面にはよくある質問項目が並ぶ一方、性別や大学名の記入欄が消えた。名前は姓だけ書けばよく、顔写真の添付も不要にした。
性的少数者への配慮という面もあるが、理由はそれだけではない。
「これまで性別や顔写真などが選考に影響していた可能性は否定できない。その人の考え方だけで選びたいので、余計な情報を削除した」。採用チームの大神田浩由・課長代理はそう説明する。
過去には、顔写真を見て書類選考で落としたケースもあった。
顔そのものではなく、服装や…
- 【視点】
他国では人種差別などへの懸念から、顔写真なし・年齢記載なしの履歴書はすでに広がっている。日本も独自の形態ではあるが、同様の傾向が出ているのは、前進と評してよいと思う。
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