【詳報】ウクライナ侵攻46、10月16日~20日(日本時間)の動き

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 ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ4州に「戒厳令」を敷くための大統領令に署名しました。一方的に併合を宣言した場所で、統制を強化するとみられます。ウクライナ側の反攻によって、南部ヘルソン州の親ロシア派からは住民を「避難」させる呼びかけも出されており、ロシア軍の劣勢を映す動きとも言えます。

(タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)

【プレミアムA】「死の通り」 ブチャ 生存者の証言

ロシアによるウクライナ侵攻から半年。大量虐殺の悲劇に見舞われた街ブチャに「死の通り」と呼ばれる場所があります。生存者が語るロシア占領下の「絶望の1カ月」とは。金成隆一記者が住民の証言を丹念に集めました。現地からの写真や映像とともに伝えます。

■■■10月20日(日本時間)■■■

19:15(ワシントン20日06:15)

プーチン氏の戒厳令発動「必死さ物語る」 米国務長官が非難

 米ブリンケン国務長官は20日に放送された米ABCテレビのインタビューで、ロシアのプーチン大統領がウクライナ4州に出した戒厳令を「彼の必死さを物語るものだ」と非難した。

 収録は19日。プーチン氏について「有意義な外交に興味を示さない」と述べる一方、「彼は理性的だと思うが、彼が下している決定、目的は理性的ではない」と語った。

18:22(モスクワ20日12:22)

「視聴者を安心させる」 ロシア政府がメディアに推奨マニュアル

 ロシアが併合したと主張するウクライナの4州に出した戒厳令をめぐり、ロシア系の独立メディア「メドゥーザ」は20日、ロシア政府が国営や政府寄りのメディアに渡したとする報道のマニュアルを入手したと報じた。「視聴者を安心させる」ことが「推奨」されているという。

 メドゥーザによると、マニュアルは戒厳令の影響について「実質的には何も変わらない」と強調。国営メディアなどはこのマニュアルに従い、戒厳令が出たのは4州のみであり、4州は併合宣言の前から事実上の戒厳状態だったと報道する必要があるという。

 また、マニュアルは国営メディアなどに対し、軍事動員された人と家族に対する当局の支援策などに焦点を当てて報道することも「推奨」しているという。

13:50(エネルホダル20日07:50)

ロシア軍、ザポリージャ原発のある都市から退避? ウクライナ原子力企業が投稿

 ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトムは20日、ザポリージャ原発があり、ロシア軍が占拠する中南部の都市エネルホダルから、「占領軍が逃げ出し始めている」とSNSに投稿した。投稿の真偽や、退避を図っているロシア軍部隊の規模などは不明だ。

 エネルゴアトムは投稿で、「(南部の)ヘルソン州、(中南部の)ザポリージャ州にいるロシア軍を襲ったパニックや恐怖、敗北の予感はエネルホダルにも及んでいる」と主張。19日から20日にかけ、市内のロシア軍人らが滞在する地区から、略奪品の運び出しが始まったと記した。

 市内のホテルでは大規模な略奪が記録されたとし、ロシア軍はテレビや冷蔵庫、家具、やかんなど「できる限りすべての物」をバスやトラックに積み込んで運び出したという。

 エネルホダルがあるザポリージャ州は、ロシアが一方的に併合したと主張する4州の一つ。投稿はエネルホダルでの略奪について、プーチン大統領が4州に出した戒厳令が隠れみのになり、事実上許容されているとの見方を示した。

12:36(ワシントン19日23:36)

ロシア、ヘルソン州で偽旗作戦を準備か 米戦争研究所が見方

 ウクライナ軍が奪還を目指す南部ヘルソン州の戦況について、米シンクタンク「戦争研究所」は19日、ロシア軍が偽旗作戦を準備しているとの見方を示した。現地の水力発電所を攻撃し、ウクライナ軍の行為と主張することで、同州から撤退した場合のニュースを目立たせないようにする狙いがありそうだという。

 戦争研究所が19日に発表した戦況分析によると、ロシア軍のスロビキン総司令官は、ウクライナ側がヘルソン州のカホウカ水力発電所のダムを攻撃するとの情報があると主張。現地の親ロシア派幹部も同様の見立てを述べている。

 戦争研究所はこうした主張について、今後ロシア軍がダムを攻撃してウクライナ軍の行為だと非難するための環境整備だと分析。こうした偽旗作戦により、ヘルソン州から「屈辱的な撤退」を強いられた場合のニュースを目立たせないようにする狙いがロシア側にありそうだと指摘した。

 スロビキン氏はヘルソン州の戦況について「難しい決断を下すことも排除されない」と述べている。戦争研究所の分析はこれについても、同州からのロシア軍の撤退に向けた環境を整える狙いがありそうだとしている。

10:30(ワシントン19日21:30)

国連安保理でイランのロシアへのドローン提供問題を提起 米高官明かす

 米国務省のプライス報道官は19日、この日に開かれた国連安全保障理事会の会合で、米国が英仏とともに、イランがロシアに戦闘用無人機(ドローン)を提供した問題を提起したと明らかにした。安保理メンバー国は、危険な武器の移転について国連事務局の専門家の説明を受けたという。

 会合は非公開だった。プライス氏は声明で「(イランの武器の取引を制限する)国連安保理決議に違反してロシアがイランからドローンを調達したことに、我々は重大な懸念を表明した」と説明した。イランのドローンがウクライナの市民や民間インフラの攻撃に使われていることを示す「豊富な証拠がある」として、「危険な武器のロシアへの移送に関わったすべての者への制裁をためらわない」と強調した。

09:45(モスクワ03:45)

ウクライナに自爆型ドローン数百機を使用 ロシア国営通信報じる

 ロシア国営ノーボスチ通信は20日、情報筋の話として、ロシア軍がウクライナで「カミカゼ・ドローン」と呼ばれる自爆型ドローンをすでに数百機使用したと報じた。ただし、ドローンは自国製と主張している。

 ノーボスチ通信によると、ロシア側が使っているとするドローンは2種類あり、時速110~130キロで飛行。3~5キロの弾頭を積むことができるという。

 ウクライナ側は、ロシアがイラン製ドローンを使ってウクライナを攻撃していると非難している。

06:30(ニューヨーク19日17:30)

イラン国連大使、ロシアへのドローン提供を「断固として否定」

 イランのイラバニ国連大使は…

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