インフル「受診控えて」 政府がコロナとの同時流行を警戒する根拠は

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枝松佑樹 市野塊
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 今冬は季節性インフルエンザが3年ぶりに本格流行する可能性があり、新型コロナウイルスの「第8波」との同時流行も懸念される。発熱外来が逼迫(ひっぱく)しないよう、政府は12日、受診を高齢者など重症化リスクの高い人に絞り、それ以外の人にはオンライン受診を活用する対策案を厚生労働省の専門家組織の会合で示した。ただ、実効性には課題も少なくない。

「自分の身は自分で守るしかない」

 介護職員の50代女性は6日、東京都北区の「いとう王子神谷内科外科クリニック」でインフルとコロナのワクチンを同時接種した。右腕に角度を浅く針を刺し、インフルワクチンを皮下注射し、直後に左腕に針を直角に刺し、コロナワクチンを筋肉注射した。女性は「同時流行が心配。ウィズコロナが進む中、自分の身は自分で守るしかない」と話していた。

 このクリニックでは、10月のインフルワクチン接種の予約が例年より1~2割多いという。伊藤博道院長は「コロナのオミクロン対応の接種は11月に本格化する。同時接種の予約も増えそうだ」とみている。

 コロナ禍の2年半、インフルは流行規模が小さかった。例年12~3月に流行し、推計患者数は1千万人前後にのぼるが、2020~21年は1万4千人、21~22年は3千人にとどまった。国際的な移動制限の影響が大きかったとみられる。

 だが、政府は、今冬にインフルとコロナが同時流行する可能性は十分にあるとみている。

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