「体育が嫌い」は子どものサイン ゲートボール授業で先生は気づいた

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忠鉢信一

 普段は体育の授業に積極的でない女の子が、楽しそうにボールを追っていた。ボールを打つ順番を待つ列に小走りで戻っていった。

 サッカーが得意な男の子は、うまくいかなくても笑顔が絶えなかった。

 あちこちで輪が出来ていた。「危ないので勝手にやらないように」という指示が先生から出ていたのに、それを忘れて、校庭の隅へ行って「自主練習」を始める子たちもいた。

 みんな、夢中になっていた。

 「子どもたちのいつもと違う一面を見られた」。体育科教員の志村美穂さん(39)もうれしそうだった。

 昨年9月、甲府市の山梨学院小学校で見た光景だ。

授業が「やりやすかった」理由とは

 6年生の体育の授業をキラキラさせたスポーツは、ゲートボールだ。

 その理由は、「教える私も子…

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    平尾剛
    (スポーツ教育学者・元ラグビー日本代表)
    2022年10月30日18時46分 投稿
    【視点】

    ゲームやデジタル機器の普及、および習い事の忙しさで、子供たちが学校以外で外遊びをする機会が減っている。そうした社会だからこそ、体育の時間に遊びの要素を取り入れたことが奏功したのでしょう。からだを使っての遊びがいかに子供を成長させるか。あらた

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