やめたはずのパチンコ 元厚労官僚は118日目に「スリップ」した
堀之内健史
仕事を終えてアパートに帰り、バラエティー番組を眺めていた。何げない日常の一コマのはずだった。だが、不意に、あの音が耳に飛び込んで来た。
「キュイーン!」
脳内の「スイッチ」が切り替わった。あの興奮を、また味わいたい――。
首都圏に住む会社員男性(45)は翌朝、会社に電話し、欠勤を告げた。「体調が悪い」。そんなうそをつき続けて15年以上になる。
国立大学で数学を専攻。厚生労働省の官僚になり、統計関連の部署に配属された。毎晩、終電まで帰れない激務が続き、うつ病になった。休職中に何げなく入ったのが、パチンコ店だった。
離婚を切り出されても
大当たりは確率で制御されて…