SMBC日興証券と三井住友FGを処分 金融庁、相場操縦事件で
株価操作事件で起訴されたSMBC日興証券に対し、金融庁は7日、金融商品取引法に基づいて3カ月の一部業務停止命令と業務改善命令を出した。証券会社が組織的に市場をゆがめた重大な事案で、経営責任を明確にするよう求めた。親会社の三井住友フィナンシャルグループ(FG)にも日興の経営管理に問題があったとして、異例となる改善措置命令を出した。
停止命令の対象は、事件につながった大株主の保有株を転売して差益を得る「ブロックオファー」取引。日興に対しては事件とは別に、同じグループの三井住友銀行との間で、顧客企業に無断で非公開情報を共有した事案についても、金商法が定める「ファイアウォール規制」違反にあたるとして業務改善命令を出した。
事件では、東京地検特捜部が日興の元副社長ら6人と法人を金商法違反(相場操縦)の罪で起訴。特捜部などによると、2019年12月~21年4月、東証1部上場(当時)の計10銘柄のブロックオファー取引をめぐり、取引日に大量の買い注文を入れるなどし、終値を安定させる操作をしたとされる。
証券取引等監視委員会が9月28日に行政処分をするように金融庁に勧告。法令順守が徹底されておらず、不正な取引を防ぐ売買審査や経営管理の体制が不十分と指摘していた。