幼稚園からの性教育は「洗脳」か 二つの正義、米国で深まる文化戦争

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米イリノイ州ネイパービル=高野遼

 シカゴ郊外に住む3児の母、シャノン・アドコックさん(42)は昨年、7歳の娘を私立学校に転校させることを決めた。

 「過激な性教育が、このイリノイ州に導入されたことが決め手でした。うちの子をそんな学校には行かせられない、と思って」

 「過激な性教育」とは、バイデン大統領も属する民主党が主導し、今年からイリノイ州で法制化されたカリキュラムのことだ。性教育の開始は小学5年生から幼稚園へと前倒しになる。性的少数者(LGBTなど)をめぐる社会的課題について積極的に教え、性別の認識は必ずしも出生時の性別とは一致しないとする「性自認」の考え方についても段階的に学ばせていく。

 「教室にまで左派の政治イデオロギーが侵入してきた。子どもたちが洗脳されてしまうと感じたのです」

 アドコックさんは続ける。「まだ幼い娘が、先生から『あなたの本当の性別は? もしかしたら男の子かもしれないね』と言われ続けたらどうなると思います? そこは親に任せて、学校はきちんと勉強を教えてくれればいい。学校も教育委員会も『ウォーク(woke)』な左派ばかりになってしまいました」

 ウォークとは、「目覚めた」…

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    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2022年10月9日14時5分 投稿
    【視点】

    ウォーク(Woke, 目覚めた状態)は、今日の米国で、この言葉が生まれたそもそもの文脈を抜き取り、政治的な意図で歪めて使われている言葉であり、注意を要する言葉だ。 「ウォーク」という言葉は、黒人コミュニティにおいて、黒人たちが受ける不