「安倍氏に関する記憶」を操作するのは誰か 闘争の第1幕だった国葬
聞き手・田中聡子
安倍元首相が亡くなってから、まもなく3カ月。事件によって引き起こされたのは、自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係や国葬を行うことなどをめぐる激しい議論でした。そうした中で、安倍氏自身はどのように記憶されてゆくのか。ノンフィクション作家の梯久美子さんに聞きました。
評伝を書く者として身にしみているのは、記憶とは戦いの場であるということです。故人に関する記憶は、生き残った者によって、書き換えられたり上書きされたりする。自分に都合のいい故人の側面を強調し、集団の記憶として後世に残そうとするのです。
国葬は、安倍晋三氏の記憶を…