水と調味料だけで空腹しのいだ…食料支援に並んだ学生の切実な事情

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編集委員・清川卓史
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 「親には無理して大学に行かせてもらったので、仕送りはほとんどない。ご飯を食べないと勉強にも集中できないので、めちゃくちゃ助かります」

 8月27日、東京都府中市。月1回開催される学生向けのフードパントリーで、お米や野菜などの食料を受け取った大学3年生の男子学生(21)は、そう話した。

 食料支援の情報は、大学のウェブサイトで知った。この日が2度目の利用という。

 「自分が稼げるようになったら、ここに寄付をしたいと思っています」

 学生向けフードパントリーが始まったのは、2020年5月。実施しているのは、フードバンク府中だ。

 コロナ禍で苦境にある学生を支えようと、子ども食堂などの活動に関わっていた市民有志が、フードバンクを立ち上げた。月1回、週末の2日間に開催しており、毎月100~160人の学生が利用する。

 外国人留学生の利用が多く、毎回半数以上を占める。取材した今年8月には、アジアやアフリカ、ヨーロッパなど十数カ国の留学生が食料を受け取っていた。食に関する禁止事項があるイスラム教徒の学生のために、安心して口にできる食品類を集めた専用の箱も用意されていた。

 申し込みの際に毎回、くらしの状況などを学生に質問している。浮き彫りになったのは、想像以上の生活の厳しさだ。

 今年8月の利用者125人へ…

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