苦境のプーチン氏、ウクライナ4州の「併合」を宣言 戦況は混迷必至

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【動画】ウクライナ4州の併合を一方的に宣言したプーチン大統領
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 ロシアのプーチン大統領は30日、軍事侵攻で占領したウクライナ東部、南部の支配地を一方的に自国に併合することを宣言した。占領地域で親ロシア派が強行した、「ロシアへの編入」を求める「住民投票」が成立したとして、モスクワを訪れている親ロ派幹部と合意文書に調印した。ロシアは今後ウクライナ軍が領土奪還を試みれば「ロシア本土への攻撃」と主張する考えだ。戦況が混迷を深めるのは避けられない。

 ロシアがウクライナの領土を一方的に併合するのは2014年のクリミア半島併合以来だ。国連のグテーレス事務総長は29日、プーチン氏の併合宣言を前に記者会見し、「国家が武力による威嚇、または武力行使により他国の領土を併合することは、国連憲章の原則および国際法の違反だ」と厳しく批判した。

 プーチン氏が併合を宣言したのは、ウクライナ東部のルハンスク、ドネツク両州、中南部ザポリージャ州、南部ヘルソン州の4州。未支配地域も含むとみられ、ロシアはクリミア半島も含め、今後ウクライナ全領土の約20%を一方的に「自国領土」とみなすことになる。

 4州の占領地では、地元「行…

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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2022年9月30日22時42分 投稿
    【視点】

     今回のプーチン大統領の演説で興味深かったのは2点です。 第1は、ウクライナとの停戦条件を明示したことです。プーチン氏は、住民投票によって民意が示されたのだから、ドネツク、ルハンスク、ザパロジエ、ヘルソンの帰属の問題については協議の対

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