選択的夫婦別姓、仕掛けた議論 「もはや昭和ではない」波風立て推進

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アナザーノート 秋山訓子編集委員

 公務員とは、組織で仕事をするもの。だから、あまり個人に注目するのはどうかとも思う。しかしこの人のことはぜひ取り上げたい。ずっとこの部署を見続けてきたが、この人がトップについてからいろんなことが進んだ。というか、波風が立った、というほうが正しいだろうか。

 林伴子・前内閣府男女共同参画局長である。

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アナザーノートは、紙面やデジタルでは公開していないオリジナル記事をメールで先行配信する新たなスタイルのニュースレターです。今回は9月25日第109号をWEB版でお届けします。

 選択的夫婦別姓についての議論再開、男女の賃金格差の是正、女性政治家や候補者に対するハラスメント、家族の形の変遷を「もはや昭和ではない」と指摘した2022年版男女共同参画白書……。彼女がこのポジションについてから取り上げた課題だ。歩みを振り返りたい。

辞令を受け決めた三つのこと

 1987年に旧経済企画庁に経済職のキャリアとして入省。国際派の官庁エコノミストの道を歩む。英語を駆使して国際会議にも多数出席、パリにある経済協力開発機構(OECD)の日本政府代表部の勤務経験もある。経済政策に関する著作も複数出している。

 そんな彼女が予想もしなかった男女局長就任の辞令を受けたのは2020年の夏。内閣府の政策立案総括審議官として、OECDの経済政策委員会副議長を務めていた。

 フランス人のOECDのチーフエコノミストに電話で異動を伝えると「なぜあなたが男女局長?」と聞かれた。「Because I’m a woman in Japan(なぜなら私は日本の女性だから)」。そう答えた。

 いざ局長になると、「日本の…

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