第20回「提案型とはどういう意味だ」吠える当選18回 いま必要な野党像

有料記事野党サバイバル 巨大与党との向き合い方

聞き手・笹川翔平
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野党サバイバル 第1党の生きざま⑤ 小沢一郎氏に聞く

 かつて2度の政権交代を実現し、「剛腕」の異名を持つ立憲民主党の小沢一郎衆院議員は今、思案に暮れている。現職のなかで最も多い18回の当選回数を誇るも、党では無役。「3度目」に向けたあるべき野党第1党とは何か。後輩たちに伝えたいこととは。

 ――民主党が政権から転落して10年経ちました。今、野党が複数ある状態が続いています。

 「野党がダメだから安倍(晋三)内閣が続いた。民主党は当初、『任期中は消費増税はやらず、無駄を省いて財源を作る』と言っておきながら、いざ政権を取ったら自民党と組んで消費増税を強行したものだから、国民の信頼を失った。それを今でも引きずっている。与党自民党は腐敗・汚職、他方の野党は政権への意欲も能力もない。このような状況は、政治、さらには民主主義そのものに対する国民の不信を招くことになる。日本の将来にとって非常に危険なこの状況を一番恐れ、心配している。だからこそ野党が奮起して、何としても政権を変えないといけない」

野党サバイバル 巨大与党との向き合い方

野党第1党のあり方に注目が集まっている。その針路は政治に緊張感をもたらすことも、また政治不信を招くことにもつながりかねない。野党第1党の役割とは何か。臨時国会を前に、党運営から距離を置く「野党内野党」の実力者たちに話を聞いた。

 ――ただ、野党第1党の立憲が政権奪取を果たしたとしても、何をしたいのかがはっきりとは見えてきません。

 「大前提として、政権奪取を目指さない野党に存在意義はない。『自民党はダメだが、野党はもっとダメ』という批判がある。しかし、政権交代をすれば、今のような権力の乱用による腐敗・汚職の政治を根本から無くし、この国のうみを出し切ることができる。まずはそれだけで十分。私は政権を2度代えた。『三度目の正直』を絶対にやる」

 ――今、日本維新の会が野党第1党の座を狙っています。維新をどう評価しますか。

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 「維新もポピュリズム的な要…

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連載野党サバイバル 巨大与党との向き合い方(全20回)

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